不動産売買

土地・建物の売買契約書の記載事項

不動産の売買のタイミングは、結婚や出産、子どもの進学や独立、親からの相続など、人生の重要なステージのはじまりのタイミングと同時期にあることが多いようです。
新しい人生の始まりを、嫌な記憶としてしまわないよう、少なくとも契約書の内容については、業者任せにせず、ご自身でもきちんと理解をして、契約に臨まれることをお勧めします。

以下に、一般的な不動産売買契約書に記載されている主な条項について、簡単に解説いたします。

・売買の目的物の表示

取引される不動産が記載されています。地番(ちばん。登記所が土地につける番号のこと。一般的な住所とは異なりますのでご注意ください)や地目(ちもく。土地の用途による区分のこと。宅地,畑,山林などの種類があります)、地積(ちせき。土地の面積のことです)については登記簿と合わせてご確認ください。

・売買代金、手付金の額及び支払日

売買代金は一括で支払われることが通常です。また、売買代金が土地の1平方メートルあたりの価格によって計算されている場合などには、引き渡しまでに土地の測量を行い、その結果に応じて、売買代金を清算することがあります(これを実測清算といいます)。

手付金については、契約が成立した証である「証約手付」、契約違反があったときに没収される罰である「違約手付」、解除権の留保の対価の趣旨である「解約手付」の3つの種類があります。

一般的であるのは「解約手付」であり、これは、売主は手付金を放棄、すなわちそのまま買主に渡し、買主は手付金の倍額を売主に支払うことで、売買契約を解除できるという性質のものです(手付損手付倍返しと一般にはよく言われています)。

契約は一旦締結したら、合意がない限り、相手方に何か違反がなければ解除できないのが原則ですが、解約手付が交付されていれば、手付を放棄、または倍返しをすることで契約を解除することができることになります。

ただし、解除ができる期間は、民法上、相手方が契約の履行に着手するまで、と定められています。しかし、「履行の着手」とは具体的にいつのことなのかが曖昧になりやすく、トラブルのもとになりますので、手付解除ができる期間は、契約書で具体的に決めていることが一般的です。

解約手付は、違反行為がなくとも契約を解除できる性質を持っていますが、だからといって安易に契約を解除されると、取引が不安定になってしまいますので、手付の金額は、簡単に放棄(または倍返し)をし辛い金額に設定されることが通常です。相場としては、売買価格の10%程度だと言われています。

・融資利用の場合

買主が住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、ローンの審査が通らなければ、契約は解除になると定められることが一般的です。

・瑕疵担保(かしたんぽ)責任

売買契約成立前に、通常の注意を払っても発見できないような欠陥のことを「隠れた瑕疵(かし)」といい、不動産に隠れた瑕疵がある場合に売主が負う責任のことを「瑕疵担保責任」といいます。

例えば、不動産を購入した後に、土地の地下に不法投棄や土壌汚染があることが判明した場合や、建物に雨漏りがあることが判明した場合、買主は売主に対して、瑕疵担保責任に基づいて、損害の賠償などを求めることが可能です。 ただし、欠陥は、「隠れた」ものである必要がありますので、例えば、事前に雨漏りがあることを知らされていた場合には、瑕疵担保責任の適用はありません。

民法の規定では、買主が瑕疵を知ってから1年以内に、売主に対して瑕疵担保責任を追及することができます。

また、民法の規定以外にも、新築建物の場合、建物の基礎や柱など、主要な構造部分については、売主または請負業者は、10年間の瑕疵担保責任を負うものとされています。

ただし、中古の建物の場合には、新築からの時間の経過により、どこかに不具合があることは想定されます。このため、契約書中に,「売主は瑕疵担保責任を負わない」という条項が記載されていることはよくありますので、中古建物を購入する際にはご注意ください。

しかし、売主が宅建業者の場合には、宅建業法が適用され、売主が瑕疵担保責任を負わないとする条項は無効となります。

・特約条項

個別の不動産の状況に応じて、特約がつけられることがありますが、当事者が自由に条項を記載した結果、意味が曖昧になってしまうことが良くあります。意味の曖昧な特約はトラブルの原因になりますので、特約を多く定める必要がある場合には、一度専門家にご相談されることをお勧めいたします。

説明義務・告知義務違反

不動産取引において、売主側や仲介業者が買主に対して説明するべき重要事項は、宅建業法35条に規定がなされています。ただし、法律に定めがないものについても、売主側は、買主が契約を締結することを決定するにあたり、重要な影響を与えるものと思われるものについては、説明をするべきであると考えられています。

売買契約締結後、例えば過去にその不動産やその近隣で火災や事故,近隣トラブルがあることなど、いわゆるその不動産が「事故物件」であることが判明した場合などには、買主は売主や仲介業者に対して、説明義務違反があるとして、契約の解除や、損害賠償を請求できる場合があります。

また、日照や眺望など、周辺の環境について、将来変更があることが分かっているにもかかわらず、これを告げずに「眺望良好」などと宣伝をして建物を売却した場合には、売主や仲介業者は、買主から説明義務違反・告知義務違反によって責任を問われる可能性があります。

借地権の売買

借地権の取引慣行がある地域の場合、借地権を売買することができます。借地権の価格については、国税局が算定している借地権割合が参考になります。例えば東京の都市部の場合、借地権割合は更地の評価額の60%から90%程度です。

ただし、借地権の取引は、よくコーヒーカップとソーサーに例えられます。いくら有名ブランドの製品であったとしても、カップ単独、ソーサー単独では、ほとんど値はつきません。借地についても同様に、借地と底地(そこち。土地のうち、借地権がついていない部分のことです。借地権割合が60%の場合、残りの40%が底地割合となります)、二つ合わせて初めて高い値がつくのであり、借地権単独では、どんなに立地条件などに恵まれていても、高値で取引されることはあまり期待できません。

このため、借地権の売買を考えるのであれば、底地の所有者である地主さんと共同して第三者に対して土地を売ったり、場合によっては地主さん本人に借地権の買取を交渉することが、最も高く借地権を売却できる方法であるといえます。

親族間売買

親が所有している土地を子どもが買い取る場合などは、時価よりも安い金額で取引をしてしまいがちですが、取引価格が時価から著しくかけ離れている場合、その取引は「売買」ではなく「贈与」と見なされ、高額の贈与税が発生してしまうリスクがあります。このため、売買代金については、路線価や固定資産評価額などを参考に、不動産業者に査定を依頼するなどして慎重に決定する必要があります。

また、親族間売買では金融機関からのローンの審査が通りにくい傾向にあります。ローンを組める場合でも、通常よりも金利が高くなったり、保証人を求められる傾向がありますので、自己資金だけでは売買代金が支払えない場合には注意が必要です。

不動産競売・不動産公売

競売や公売に出された不動産の購入を希望する場合、裁判所や国税局などが行う不動産競売、または不動産公売手続きに参加する必要があります。一般の方にとって、競売不動産は、時価よりも非常に安価で入手できる一方で、暴力団関係者が不動産を占有しており、高額な立退料を請求してされるおそれもあるなど、ハイリスクハイリターンの物件であるとのイメージが強いかと思われます。

しかし、近年では暴力団対策法により、暴力団関係者が占有しているような不動産はほぼありません。他方で、転売による利益を得ようとする個人や業者が入札することも多くなったため、落札価格はほとんど時価と変わらない水準となっています。

手続きに参加しやすくはなっていますが、落札価格が判断しづらいなど、一般の方にはハードルの高い取引であることは間違いがなく、手続きへの参加には、慎重な判断が必要です。

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