コラム

賃貸経営における法的リスクとは?不動産賃貸借 2019.02.12

賃貸経営と聞くと、「不労所得」「夢の家賃収入」などと考えてしまい、安易に飛びついてしまいがちです。しかし、賃貸経営はそんなに簡単なものでしょうか。実は、賃貸経営には多くのリスクがあるのです。ここでは賃貸経営における法的なリスクの中で一般的なものをご説明します。

◇ 賃貸借契約締結時のリスク ~告知義務~

前の賃借人が「上階からの足音がうるさい」などの理由で退去したような場合、「これを言ってしまったら、借り手がつかないかもしれない」「音の感じ方は人それぞれだから、これくらいなら問題ないだろう」などと思い、つい上階からの騒音を隠したままにしてしまうようなことはありませんか? 建物の貸主には、賃貸者契約上、または信義則上、契約を締結するか否かを判断するについて重要な事項については、契約締結前に告知すべき義務があります。

何が「契約を締結するか否かを判断するについて重要な事項」かの判断は具体的な事情に応じてなされます。

上階からの騒音の感じ方は人それぞれであり、それが「契約を締結するか否かを判断するについて重要な事項」であるか否かの判断はケースバイケースとなりますが、後のトラブルを避けるためにも、気になることはきちんと告知をしておいたほうが良いでしょう。

仮に、告知義務違反を問われた場合、賃貸借契約の解除などに発展するリスクがありますので、ご注意ください。

また、入居者対応などを一任している管理会社が、上階からの騒音について十分な説明をしなかった場合でも、オーナーに告知義務違反が問われる場合があります。

※告知義務についてはこちらのコラムもご参照ください。
「そんな話聞いてない! ~重要事項説明義務違反・告知義務違反~」

◇ 入居後のリスク ~近隣トラブル~

無事に入居者が見つかっても、まだまだ頭の痛い問題もあります。その中のひとつが近隣トラブルです。

例えば賃借人が昼夜問わずに騒音を出している、居室からペットの多頭買いが原因と思われる悪臭がするなどのトラブルは、マンションなどの集合住宅ではつきものです。

しかし、トラブルメーカーとなっている賃借人との間の賃貸借契約を解除して、賃借人に建物から出て行ってもらうのは簡単にはいきません。すなわち、賃借人が出す騒音や悪臭などが原因で、「オーナーと賃借人との間の信頼関係が破壊されている」状態でなければ、賃貸借契約は解除できないのです。

口頭や文書による簡単な注意だけで、賃借人の態度が改められれば良いですが、賃借人の姿勢が変わらなかったり、賃借人が任意に退去をしない場合には、訴訟にまで発展することを覚悟しなくてはなりません。

訴訟になった場合には裁判費用がかかるだけでなく、判決までは1年程度の時間もかかります。その間、騒音や悪臭などのトラブルの状態が続くのは大きな問題です。

◇ 入居後のトラブル ~家賃未納~

賃料収入は、賃貸経営におけるオーナーの生命線ですが、これが支払われなくなることもあります。

賃料未納が3か月ほど続く場合には、「信頼関係が破壊された」として賃貸借契約を解除することが認められることが多いですが、その間の未払いの賃料は回収できないことが良くあります。

また、賃借人が任意に退去をしない場合には、裁判を起こさなくてはなりませんが、その際にかかる裁判費用や退去費用も、オーナーの持ち出しになることがほとんどです。

※家賃未納によってかかるコストについてはこちらのコラムもご参照ください。
「結局いくらかかるのですか? ~不動産明渡編~」

◇ 退去時のトラブル ~原状回復~

賃貸借契約が終了しても、建物明け渡しの際には注意が必要です。

すなわち、賃借人は建物を原状回復して明け渡すことが原則ですが、これが守られない場合もあります。

賃借人がごみなどをそのまま放置して退去したような場合や、賃借人が居室を破壊していたような場合には、賃借人の費用負担で原状回復を求めることができます。しかし、賃借人との話し合いが長引く場合には、次の入居者を募集するために、オーナーが賃借人に代わって費用を支払って、原状回復をせざるを得ない場合もあります。その場合に、かかった費用の全額は、回収できない可能性もあります。

※原状回復についてはこちらのコラムもご参照ください。
「原状回復のトラブル」


このように、賃貸経営には多くのリスクが潜んでいます。オーナーとしても、管理を管理会社任せにせず、最低限の知識をもって、賃貸経営にあたる必要があるといえるでしょう。

以上

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